夜勤中の眠気対策、みなさんはどうされてますか?
「眠気を抑える飲み物」「元気が出るドリンク」などを夜勤のお供として持参される方も多いでしょう。
でも思ったような効果が得られず、眠気が取れないまま仕事を続けた経験はないでしょうか。
つらいですよね、眠いままでの朝食の介助。
なかなか終わらない、利用者さんのモグモグ。
あぁ、閉じてゆく我がまなこ、薄れていく意識・・・
夜勤に欠かせないカフェイン。
「中毒が怖いから飲みたくない」という方もいらっしゃると思いますが、
自分の体質に合ったカフェイン量を知って、効果的に使えば中毒になることはありません。
上手にカフェインを利用して、眠い朝を乗り越えましょう!
カフェインとは?
効果
- 中枢神経を覚醒させ、眠気を軽減または抑制する覚醒作用
- 疲労感を減少・抑制する興奮作用
- 身体の血流を促す血管拡張作用
- 老廃物の排出を促す利尿作用
- 脂肪燃焼効果
- 自律神経の働きや集中力を高める効果
「カフェイン=眠気を抑えるもの」と捉えられがちですが、
実はこれだけの効果が期待できる、
私たちの日常生活で高いパフォーマンスを発揮するためのサポートをしてくれる成分でもあるのです!
摂取量の上限
気になる一日の摂取量の上限ですが、
実は日本では
1日当たりのカフェイン摂取許容量の基準は設けられていない
んです。
なので食品安全委員会が公開している、
海外の主な機関のカフェインに対するリスク評価を参考にすると、
健康な成人の場合1日あたり400mgのカフェインが
「人体に悪影響のない最大摂取量」とされています。
マグカップのコーヒーですと2~3杯程度となります。(あくまで目安です)
ですので、この400mgを基準にお話ししていきたいと思います。
どんなものに含まれているの?
カフェインが含まれている食品はコーヒーやエナジードリンクだけではありません。
カフェインはコーヒー豆やカカオ豆、茶葉などに含まれている天然の成分です。
そのため、カカオ豆から作られるチョコレート、煎茶や紅茶の茶葉を使ったお菓子
などにも含まれています。
(ミルクチョコレート25gでは7mg、カカオ70%のハイカカオチョコレート25gでは21mg)
コーヒーや紅茶と合わせてこれらの菓子類を食べていると、
気づかないうちにカフェインを多く摂っていることも!
1日あたり400mgなんて、あっという間に超えてしまいそうです・・・
カフェインの上手な効かせ方
みなさん、眠気を感じた時にカフェイン摂っていませんか?
実はそれでは遅いんです!
例えばコーヒーを飲んだ場合。
飲んだらすぐにカフェインが体に取り込まれるわけではなく、
血中を巡ったのち全身へと運ばれていきます。(これが約30分かかる)
それから覚醒作用が働きはじめるため、
コーヒーに含まれるカフェインの効果を実感するまでは時間差が生じてしまうのです。
ではいつ飲むのがベストか。
それは
体内にカフェインがない状態で、眠気を感じる前に飲んでおくのがよい
つまり
眠気を抑えたい時間の30分前に飲んでおく
のが良いのです。
例えば朝の食事介助の時間に必ず眠くなるとわかっているなら
食事介助が始まる30分前にカフェインを摂っておく。
「自分は朝の離床介助の時に頭をシャキッとさせておきたい」、ということなら
離床介助を始める30分前にグイっと1本、飲んでおくと良いことになります。
カフェイン含有量
コーヒー
コーヒーの種類 | カフェイン含有量 | 備考 |
ドリップコーヒー | 60mg/100ml | コーヒー豆10g、お湯150ml |
インスタントコーヒー | 57mg/1杯 | 粉末コーヒー2g、お湯140ml |
缶コーヒー | 90~160mg/1本 |
そのほかの飲み物(100mlあたり)
カフェイン含有量 | 備考 | |
玉露 | 160mg※ | 茶葉10g、お湯60mlで浸出 |
紅茶 | 30mg | 茶葉5g、お湯360mlで浸出 |
煎茶 | 20mg | 茶葉10g、お湯430mlで浸出 |
ウーロン茶 | 20mg | 茶葉15g、お湯650mlで浸出 |
コカ・コーラ | 9.5mg | 500mlペットボトルだと約50mg |
オロナミンC | 18mg | 1本120ml |
(※玉露のカフェイン含有量がとても高いですが、
カフェインとともに含まれているタンニンという成分が
カフェインの作用を抑える働きをする、という報告もあります。)
エナジードリンク
100mlあたり | カフェイン量/内容量 | 備考 | |
サーフエナジードリンク | 80mg | 200mg/250ml | クリエイトSD専売 |
エナジーハンター | 65mg | 195mg/300ml | トップバリュー専売 |
BLACKOUT DDT | 30mg | 165mg/500ml | ドンキ専売 |
モンスター | 40mg | 142mg/355ml | |
レッドブル | 32mg | 80mg/250ml |
栄養ドリンク
ほとんどが1本(100ml)あたり50mg。
安全にカフェインを摂取する上で注意したいこと
先ほど「摂取量の上限」で
【1日当たり400mgのカフェインが「人体に悪影響のない最大摂取量」とされている】
と述べましたが、それはあくまで標準的な成人に限った話です。
安全にカフェインを摂る上で注意したいこと、それは
個人差
です。
体格差
日本で1日当たりの摂取許容量の基準が設けられていない一方で、
海外のいくつかの国は、成人が摂取しても体に影響がないとみられる
1日当たりの最大摂取量を設定しています。
安全とみなされる量 | 体重40kgの人 | 体重60kgの人 | 体重80kgの人 |
成人:1回に3mg/kgまで | 1回120mgまで | 1回180mgまで | 1回240mgまで |
成人:1日に5.7mg/kgまで | 1日228mgまで | 1日342mgまで | 1日456mgまで |
ご自分の体重×5.7で1日当たりの最大摂取量が算出されます。
もし400mg/1日のカフェインを摂取して具合が悪くなった場合は
体重に見合った量に調節してみて下さい。
カフェイン感受性が高い
もし、先ほどの表に記載されているより少ない量を摂取した後に
不快な症状(不安感や頭痛)を感じたら、
あなたはカフェイン感受性が高いといえるようです。
カフェイン感受性に影響を与える要因としては、
年齢、病歴、医薬品の使用、心身の健康状態
などが知られており、女性より男性の方が感受性が高い可能性も示されています。
まとめ
むやみにカフェイン中毒を怖がる必要はありません。
注意事項を知ったうえで上手にカフェインの効能を利用したいですね^^
- 健康な成人の場合1日/400mgのカフェインが「人体に悪影響のない最大摂取量」とされている
- チョコレート、紅茶の茶葉を使ったお菓子などにも含まれているため気づかないうちに摂りすぎている事も!
- 眠気を抑えたい時間の30分前に摂っておく
- やはりコーヒーが最強(飲み過ぎ注意!)
- 国内プライベートブランド発のエナジードリンクがモンスターを凌ぐ
- 自分の体重や心身の健康状態に合わせた適量を知る